日本の各地に、河童が子どもの尻小玉を抜いたとの話が伝わっています。河童が悪さをするのは、河童族としては少し困ったことです。
確かに、河童はキュウリだけでなく生肝も好きです。最初は口から手を入れて肝を抜いていたのですが、人の歯が強いことを知ってからは、歯のないお尻から手を入れて生肝を抜くようになりました。
でも、肝も好きになったのは、明治以降のことで、最初の頃は肝が好きなわけではなかったのですよ。
生肝を好む由来は、中国の「竜宮の乙姫様の病気に猿の生肝がよいので、亀やクラゲが猿を連れてくるが、猿が途中で逃げる」伝承から来ているのだと思います。この話は江戸時代は、亀が生肝と抜きに行く小咄のネタになっていますから、本当に肝がすきなのは亀です。この肝が薬になる伝承と、「川に捨てられた河童が、食べるものがないと答えると、尻でも食べろ」と言われる、話が重なりあったのではないでしょうか。
河童族にとっては迷惑な話です。最初は口から生肝を抜いていたが、尻から抜くようになる伝承は、佐賀県や福岡県などに伝わっています。
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