河童に引かれた女
この辺りでは、河童は大人の男には絶対に悪戯をしないが、女や子供と見れば水中に引っ張り込んで尻を抜くといわれており、昔、大井の並河で、子守女二人が河童に引き込まれそうになったが、折よく、通りかかった人がいて、その人に助けられたという話がある。
亀岡市の河童話

河童の手紙
昔、福知山の人が京都へ用足しに行っての帰途、桂川に架かっている橋(桂橋)の所まで来ると、橋のたもとに美しい女が立っていて、「どこまで行きますか」となれなれしく聞くので、妙な女だなと思いながら「福知山へ帰ります」と答えた。
すると、その女が「それでは、お手数ですが、この手紙を千代川村(現、亀岡市千代川町)の川関に投げ込んでください」といった。
そこで、その人は「お安い御用です」と、その手紙を引き受けて、先を急いだが、手紙を川の中へ投げ込んでくれというのはどうもおかしいと思い、途中で思い切って手紙を開けてみると、「この間は御馳走になりまして有り難うございました。今度よい人間が見つかりましたので、お約束によって差し上げます。桂川の主より、大井川の主様へ」と書かれていたので、ゾ−ッとして、手紙を破り捨てて、そのまま家へ帰った。
手紙を託した美しい女は、桂川の河童が化けていたものだったのである。

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