京の水文化を語る座談会
15回

水琴窟博士になるぞ

 


日 時 :平成15年10月2日(土) 午後1:00~3:00
場 所 :いづみ谷西寿寺(京都市右京区鳴滝泉谷町16)
参加者 :19名
 13:00  講演・水琴窟鑑賞
   「水琴窟~たった一粒の水滴が生み出す響き~」
   講師 大橋 智夫 氏
      (京都水琴窟ネット-KYOTO会長)
 15:00   西寿寺内見学
       案内:村井 定心 庵主
 16:00頃 終了

 京都水琴窟ネット-KYOTO会長の大橋智夫 氏から、京都市鳴滝の西寿寺で水琴窟の構造と歴史について教授いただいた。西寿寺は、大橋氏が手掛けられた水琴窟の中でも自然界の音の中で「ポーン・カーン」の音色を聞くことができる最も良いスポットとのこと。水琴窟の歴史などを聞きながらの山寺でのゆっくりとした時間を過ごすことができ、日々の雑踏を忘れてしまいました。

水琴窟博士になるぞ!一口メモ!
(大橋会長から教えていただいたこと)

・京都水琴窟ネット-KYOTOでは、水が落ちた時にでる音よりも、カメの中で響く共鳴音が大きいことを、水琴窟との条件としている。
・外国にはない技法。
・水琴窟は、江戸時代に手洗水などを早く土中に排出するために考案された「洞水門」が、その起源。小堀遠州が用いたのが最初とも言われている。
・江戸中期には、庭師によって「ポーン・カーン」と響く水琴窟の構造が確立された。とても難しい作庭技術とのこと。
・その後、忘れた水琴窟は、昭和53年に朝日新聞の天声人語で紹介されて、世の中に知られるようになる。
・現在、京都には30カ所ほど水琴窟があり、その中で最も古いと考えられているのは大橋家苔涼庭にある大正4年に造られた水琴窟である。御主人も音が聞こえることは知っていたが、これが水琴窟であることは御存じなかったとのこと。
・町屋の改修などで、江戸時代の水琴窟が見つかることがあるが、たいていは土が溜まっており音色を聞くことができない。

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